わかれあげまん
二人の男が自分の怪我のためにわたわたと動いてくれているのに、
相変わらず柚は予期せぬ事態に思考がついていけず茫然と佇んだままだった。
挙句、冷たく心地よい流水の中で自分の手首を掴む哉汰の逞しい手を、筋張っていてなんかちょっとカッコイイな、なんて考えてしまう始末。
まったく他人事にもほどがあるというものだ。
***
数分後、柚は哉汰の銀のバンの助手席にちんまり納まり、地元の病院へと向かっていた。
その頃になってようやく、柚は自分の粗相に対する悔恨の念にさいなまれ始め、氷を当てた腕のタオルを抑えながら、うう、と小さく呻いた。
しかもまた、会ったばかりのこの藤宮哉汰の世話になっていることに。
何とも言えないいたたまれない気持ちが込み上げる。
「痛むか?」
心配そうに若干眉を顰め尋ねてくる哉汰。
「えっ?あ、いえ、そ、そーじゃなくて」
慌てて口ごもって、それからまたしおしおと俯いた。