わかれあげまん
大学のパーキングへと向かう間。
柚は着ていたパーカージャケットのフードをすっぽりと被り、更に襟元を立てるようにして哉汰の数メートル後ろをひたひたと歩いた。
これ以上俺に迷惑かけないようにって事なんだろうが、
かえって目立つっての。
と内心哉汰は吹き出しそうだったが、せっかくの柚の心遣いなので何も言わずに置いた。
そしていつかのように柚は銀色のバンの助手席に乗り込み、哉汰の運転に導かれ大学から滑り出した。