わかれあげまん
柚はふうッと溜息をついて宙を仰ぐと、しみじみその時の哉汰のフレーズを思い返してみた。
『今後どんなに近づこうとも…俺は絶対、あんたとはそうならないから。』
『あんたにとって最初の例外男になるって事。』
低く凛とした声が幾重にも柚の脳内に心地よくリフレインしてくるのを、美也子の呆れ声が遮った。
「…あのさぁ、柚?」
「え」
「藤宮くんに言われたそれって…つまりどういう意味だか分かってる?」
「え?だから。あたしとは男女の仲にはならないって事だよ。」
『今後どんなに近づこうとも…俺は絶対、あんたとはそうならないから。』
『あんたにとって最初の例外男になるって事。』
低く凛とした声が幾重にも柚の脳内に心地よくリフレインしてくるのを、美也子の呆れ声が遮った。
「…あのさぁ、柚?」
「え」
「藤宮くんに言われたそれって…つまりどういう意味だか分かってる?」
「え?だから。あたしとは男女の仲にはならないって事だよ。」