わかれあげまん



「何がバイト仲間だ!?大体あれだ!アイツには例のイタリア女が居るじゃねーか。あんなべらぼうにイイ女差し置いてナニ他人の女連れ出してるんだって話だぜ!おかしーだろ!?」


「それを言うなら渡良瀬、お前だって2年越しの彼女が居るじゃねーか。麗聖女子短大に!」


面白そうにクククと喉を鳴らし言ってくるルームメイトに、渡良瀬は一寸喉を詰まらせたが。


「お、俺のことはいいんだよ!柚は柚で自分がわかれあげまんなんだって自覚もあるんだし!」


その苦し紛れの稚拙な言い訳に、ルームメイトはまた可笑しそうに笑った。


「俺には分かる!あいつも立身出世目当てに柚に近づこうとしてんだぜ、きっと。」


「そっか?藤宮哉汰はそういう男じゃないと思うんだけどな~。」


哉汰を庇うような発言をしたルームメイトへ、渡良瀬の鋭い視線が黙れといわんばかりに突き刺さる。


「…くそお。渡してたまるかよ!俺の野望はまだ道半ばで、終わってねーんだからな!」







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