キミがいた夏~最後の約束~



しばらく走っていたけれど、我に帰ってスピードを落とす


荒れた息を整えながら下を向くと自分の足が目にはいった


靴を履いていない


靴下が泥で汚れていた


咄嗟に飛び出したせいで履くのを忘れてしまったようだ



「これで学校行けないの決定…」



私は自嘲気味に笑った後、手をスカートのポケットにつっこんで携帯電話を取り出す


とりあえず綾香に先に行ってとだけメールしてまた携帯電話をポケットに押し込んだ


橘先輩とは嫌がらせを避けるために、一緒に学校には行かないようにしていた


なので橘先輩にはメールする必要はない


いや、何かメールして突っ込まれた時に答えられない気がしてメールできなかった


とにかくどこかで時間をつぶそう…


私は空を見上げた


空が大きな黒い雲で覆われているのを見て、昨日の橘先輩との電話を思い出す



「あ…台風…」



今にも降りだしそうな空を見ながら


私は少しため息をついて、ゆっくりと歩き出した






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