キミがいた夏~最後の約束~



少し歩くと、私はやっぱり小さな公園に来ていた


誰にも合わず、あまり人の目に触れずに済む場所がここ以外思い付かなかった


台風が近づいていることもあって、当たり前のようにそこには誰もいない


少し強くなった風に揺られたブランコが、私の心を代弁するように切なげな音を響かせていた


私はそんなブランコにゆっくりと近づき体を下ろす



キィ━…‥キィ━…‥



靴を履いていないせいで足が痛い


なんだかとても疲れている


まあそれもそのハズだ


さっき沢山走ったし


でも理由はそれだけではない気がした


少しの間ブランコに座ってこれからのことを考えていると、スカートのポケットが振動する


携帯電話が鳴っているのだ


取り出すとメールが来ていた


《学校に到着(^-^ゞどうしたの?遅れるの?》


綾香からのメールだった


私はそれを開いて見たけれど、返信はせずにまたスカートのポケットに押し込んだ


遅れる…


休む…


どれも適当な答えではないような気がした


何か上手く誤魔化す方法はないだろうか




ポツポツッッッ━━……‥



突然、冷たい水の滴が頬に当たってビクリと体を揺らす


空を見上げる次々と私の顔に冷たいものが降り注ぐ



「雨か……」



私はとうとう降りだしてきた雨に、眉間のシワを寄せていた


どこか雨宿りするところ…


そう思って辺りをキョロキョロするが適当な場所が見当たらない


何度見てもブランコ以外に目に付くものは砂場ぐらいだ


私はしかたなくブランコに再び身を預けていた






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