キミがいた夏~最後の約束~
そしてどれぐらい時間が過ぎたんだろう
もう時間の感覚がない
曇っているせいで
朝なのか
昼なのか
夜なのか
とにかくひどく寒かった
それもその筈で、降ったり止んだりした雨は
容赦なく私を濡らし
時折強く吹く風は私の濡れた体を冷やしていた
ブランコを握っている手の感覚がない
私はブランコから手を離して胸の前に手を寄せる
ブブブッッッ━━………
突然の振動に驚いて下を向くと、再びスカートのポケットが振動していた
私は感覚のない手でポケットに手をやろうとした
けれど途中でやめてまたブランコの鎖を掴む
取れない……
今は取れない…
私の携帯電話は防水機能がついていない
だからこんなにびしょ濡れな状態で取る訳にはいかないのだ
携帯電話は一度切れてまた再びスカートを揺らす
その度にスカートから雨の滴がポタポタと滴る
橘先輩から貰った携帯電話を濡らすわけにはいかない
「ごめんね…取れなくて…」
私はそう言いながら静かに瞳を閉じた