キミがいた夏~最後の約束~




声の方を振り向くと都さんの悲しそうな顔


「バカなこと…言わないでよ…」


心底腹が立った、そんな顔をしている



「あんたを産んだお母さんはそんなことあんたに思って欲しくて産んだんじゃないよ!」



私は橘先輩の肩越しから都さんを見ていた



「育ててくれたお母さんだってあんたを愛してたと思うよ…でもひどく弱い人だったんだよ…」



私はその言葉に小さく頷いた


お母さんが私を叩いた時


小さな声で謝ってたこと


自分を責めていたこと



それは私のことを少しは思っていてくれたと思いたい…



都さんは私が頷いた顔を確認して、何かを納得したようにトビーさんに再び寄りかかる



そんな風に怒って、自分の為に泣いてくれる存在がいるんだと思うだけで嬉しい



けれどこの人は



私を大事に抱えるこの人を、もうこれ以上苦しめるわけにはいかない






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