キミがいた夏~最後の約束~
トビーさんと都さんは私たちが戻って来ても別段驚いた様子はなかった
きっとこうなることを心のどこかで予感していたのかもしれない
私たちは綾香に店番を任せて、トビーさんの家のリビングで話をしていた
少しの間、皆押し黙っていたけれど
突然、トビーさんが何か決意したように口を開いた
「よし、決めた」
その言葉に全員がトビーさんの顔を見つめた
「俺も覚悟を決める」
「省吾…」
都さんがトビーさんを少し不安そうに見つめている
「実は…俺…都とは再婚なんだけど…
俺、前のカミさんとの間に子供がいたんだ…」
その事実に私は少し驚いて顔をあげると
橘先輩も同じような顔をしていた
先輩も知らなかったようだ
「小さい頃以来会ってないけど、確か美鈴ちゃんより2コ下の女の子だ
だから、同じぐらいの子がいる親として…俺も何かしたいし…してやりたい」
トビーさんは娘さんのことを思い出しているのだろう…
とても優しい顔をしていた
「ただし…」
途端に真剣な顔をなるトビーさん
「親父さんに居場所をちゃんと伝えること」
都さんはそれを聞いてうんうん、と頷いている
「もし美鈴ちゃんのお父さんが来てもちゃんと話し合おう!」
そう言ってトビーさは親指を前に出して思いっきり笑った