キミがいた夏~最後の約束~
AM6:00
ザザ―‥…ザ…‥
ザザザ―…‥
波の音が聞こえる
寄せては返すその波を見ていると
なぜだろう?
不思議と心が落ち着く
AM6:00
6月のよく晴れた早朝
晴れているといってもまだ夏服では少し寒さが残る
海岸線に沿って舗装された遊歩道には
ランニングや犬を散歩させる人がチラホラと行きかう
私はその砂浜から少し高くなった遊歩道の端に、海と向かい合い足を放り出した形で座る
そこで小さく静かな朝を迎える
いつだって静寂を切り裂くのは彼女達の黄色い声援
「きゃー!!かっこいいよー!」
「写メとれてる??」
「やだ!ぶれる!ぶれるー!」
「こっち向いてくれないかなぁ?」
「ねぇ?思いきって呼んじゃう!?」
「せーの」
「「「橘せんぱーい!!!」」」