キミがいた夏~最後の約束~
「でもあいつ変わったよ…あんなに他人に必死になってる渚、初めてみたなぁ…」
そう言ってトビーさんは持っていたグラスを一気に傾けた
「あ、知ってる?美鈴ちゃんのこと好きになったの多分あいつが先だよ」
ええ!?
「そんなことないですよ…」
私は手を前に出して振った
「それがおかしーんだよ!あいつ美鈴ちゃんが毎日、海に来てるのは自分を見に来てるって思っててさ~」
今日のトビーさんは饒舌だった
お酒の力が大きいだろう
「店に来て、今日もいた~今日もいた~ってうるせーのなんのって」
トビーさんが話してくれる私の知らない橘先輩の話は聞いていて楽しかった
私の知らない間にそんな話をしてたなんて、少し嬉しい
「したらあいつ、何日かして落ち込んで帰ってくんの」
「え?なんでですか?」
「美鈴ちゃんが自分を見てるんじゃなかった~って落ち込んでんの、ハハハッ馬鹿だろう?」
私は橘先輩と初めて会った日のことを思い出した
『毎日飽きもせずに何見てんの!?』
あのイライラした言い方に今頃キュンとしてしまう私