キミがいた夏~最後の約束~
「美鈴が泣いててもそばにいることしかできない…」
そんなことない…
「美鈴が苦しんでても何もしてやれない…」
そんなことない…
「美鈴と同じ痛みを感じてやることが出来ない…だから…」
私は泣き出していた
そして首を横に何度も振りながら言葉を紡ぎ出す
「橘先輩…ずっと…手を繋いでてくれるって…」
チョコブラウンの柔らかそうな髪が
「そう言ったのに…どうして…」
ずっと触れてみたいと思っていた橘先輩の髪が
すぐに触れる距離にあるのに
「やだよ…」
私には遠く感じて触れない触ることが出来ない
「私…橘先輩のとこ以外行くとこないよ…」
その瞬間
橘先輩が立ち上がったのが涙で霞んだ瞳に写った
そしてその両腕で広い胸の中に引き寄せられ
強く抱きしめられていた