キミがいた夏~最後の約束~
私はその体にすがり付くように、確かめるように抱き返す
橘先輩が逃げてしまわないように
「ごめん…美鈴…ごめん…ちょっと意地悪した…」
橘先輩はそう言って私を強く強く抱き返してくれる
「美鈴が…そう言ってくれるって思って……嫌………言わせたかったから…」
私は橘先輩の背中に手を回し、しがみついて子供みたいに泣き続けていた
周りには人はまばらだったけれど
それでも通る人たちは不思議に思って見ていただろう
でも私たちはそんなこと、お構い無しで
お互いがお互いしか存在しないかのように
強く、強く抱き合っていた
それから少しして
橘先輩が私を自分の体から引き剥がそうとした
私も幾分か気持ちを落ち着かせて、涙は止まっていけれど離れたくはなかった
そういう意味を込めて離れることを拒否してみたけれど
橘先輩の「顔が見たい」の一言で
私は名残惜しそうにそれに従った