キミがいた夏~最後の約束~



橘先輩に引っ張られるように顔をあげると


そこには淡い着物を着た、橘先輩を女の人にしたような顔の人


橘先輩のお母さんが立っていた



「あら、いらっしゃい」



橘先輩…


お母さん似だ…


私は少し緊張しながら、お姉さんに今した挨拶とそっくりそのまま同じことを再現する


ただ…今度はちゃんと顔をあげた



「ふふふ…ホントにかわいらしい」


うわぁ…


笑うと橘先輩ソックリだけど、もっと優しい感じになる


私の憧れるお母さんのイメージにピッタリで見とれてしまう


橘先輩はお母さんがそれだけ言うのを待ってから、私の腕を掴んで引っ張った



「行くぞ、見せもんじゃね~」


「渚」


お姉さんに呼び止められなんだよって顔をする橘先輩



「変なことしないのよ」



え?



「バカ姉貴!!」


「美鈴ちゃんまた後でね~」



私はグイグイ引っ張る橘先輩に引きずられながら、お姉さんとお母さんにお辞儀をして家の中に足を踏み入れた






< 273 / 378 >

この作品をシェア

pagetop