キミがいた夏~最後の約束~
しばらく歩くと
少し先に公園が見えてきた
ブランコに誰かが座っているのか人影が見える
誰…?
誰かと待ち合わせでもしてるの?
そう思って綾香の方を見ようとした時
その人影が立ち上がるの見えた
何かに吸い寄せられるように更に近づくと
その人影を確認して
私はボンヤリと開けていた目を見開く
「待ちくたびれた」
私を見つめる瞳と
低く通るその声
どうして……
どうしているの?
後ろをを振り替えると、泣きはらした目とは対称的な綾香のやさしい笑顔
そしてそっと背中を押される
私はゆっくりと橘先輩に向かって歩き出していた