空を見上げる皇帝ペンギン。
それって、エレベーターの意味あるの?疑問に思う。隣にある非常階段を上って三階まで歩く。
…いつも周防くんはこれを上り下りしているのかな…。
思ったより階段は長くて、でも周防くんは私のボストンバックも持っているにも関わらず息が乱れていない。
「周防くんてやっぱり陸上選手だね。」
「ん?」
「体力って大事だなってすごく思ったの。」
そっか、確かに大事だなと納得してくれた周防くんは、扉を開けて先に私を入れてくれた。
お邪魔します、と外とは変わらない温度の室内に言っても、しんとしているだけ。