純情☆デビル
「正信……“カッコイイ”って誰が?」


コレを聞いた瞬間、正信の顔がヒクヒク引きつり出した。


「無自覚か………意外だなぁ」


「ハッ?」


「イヤ……気にしないでくれ、うん」


オレは正信がため息と同時に横を向いたのを、仏頂面で眺めていた。


無自覚ってどういう事だ?


……と、机をトントン指で叩かれて、目線を豊平に注ぐ。


「あの、関波君………私も正信みたいに、雫って呼んでも構わないかな?」


少し笑みを浮かべながら頼んで来る豊平は、腰まである髪にクリンとした瞳。


よく見りゃあ結構カワイかった。
< 36 / 467 >

この作品をシェア

pagetop