いつか会えるね
その後も、廣田くんはゴロニャン状態。

肩にもたれかかって、腰に手を回す。

「もう。彼女に怒られるよ。」

やんわり断る。

「いないし。」

「まーたまた。」

いないわけないじゃん。
こんなにかっこいいのに。

おばさん、騙されないわよ。

「いないもん。」

プクッとふくらませた、唇が可愛い。

「景子さんは…?」

「えっ?いないけど。」

「それこそ、いないわけないじゃん。」

「そう言われも…。」

いないしねぇ。


「じゃあ、電話番号、教えて…?」

えっ…?

「こんな、オバちゃんの電話番号聞いてどうすんの~?」

笑って、廣田くんの肩を、軽く叩く。

「やっぱり、いるんだ…。」




< 145 / 280 >

この作品をシェア

pagetop