ブラッディマリー
 


「!? 俊、さん……!?」


「俺はね、和。お前が産まれた朝のことをよく覚えてる」



 俊輔の瞳が柔らかく溶けて、和はますます判らなくなった。



「……白城澄人には、どのくらい聞いた?」



 俊輔の瞳を真っすぐに見つめた和は、自分でも驚く程するすると言葉を紡ぎ出す。



「……ヴァンパイアの家系だったって……けど、先代に子種がなくて、人間を養子にしたって──それが、親父だと」



 そうか……と俊輔は和の頭から手を引き、煙草の煙を換気孔に向かってふぅっと吐いた。


 万里亜は驚いて、和と俊輔を交互に見る。



「俊さん、どういうことですか? ……直系は死に絶えたと、あたしはそう聞かされて来ました」


「まあ、ね」


.
< 162 / 381 >

この作品をシェア

pagetop