ブラッディマリー
 

 半分程燻らせた煙草を灰皿に捩込むと、俊輔は万里亜の顔を見てにっ、と笑った。



「直系は直系同士で結婚するべきだ、って昔からの習わしがあったんだ。俺の代になる頃には、黒澤にも白城にも直系のヴァンパイアは一人ずつしかいなくなっていた。……俺は、黒澤のヴァンパイアだった」



 どこか懐かしそうに目を細める俊輔は、昔を思い出しているのか少し沈黙する。



「白城の直系とは、残念ながら色っぽい関係になれなくてね。両家が期待したように、俺達が結ばれることで黒澤と白城がひとつの流れになる、ってことは叶わなかった」


「待ってくれ、俊さん」



 頭痛を堪えつつ、和は口を開いた。



「ん?」


「あんた、何歳なんだ? それに、生きているなら何故黒澤の家督の座にいない?」



 和のもっともな疑問に、俊輔はくっと喉を鳴らして笑う。

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