ブラッディマリー
 


「……俺が咬んで、黒澤にまたヴァンパイアの血が甦ったってわけか。敬吾は余計お前を欲しがるだろうな」


「親父?」


「ああ。敬吾は黒澤家がヴァンパイアの家系だったことを知っている。ただの人間である自分が継いでいいのかと、昔は随分悩んでた」



 他人から見た、敬吾像。


 自分のそれと一致しないことに、和は言いようのない気持ち悪さを感じた。



「……俊さん、助けてくれたことには感謝するけど……俺はあの家には帰らないよ」


「ま、家を見捨てた俺には関係ないが……な」



 自嘲めいた笑いを漏らし、俊輔は和の隣で青ざめた万里亜を見る。



「万里亜ちゃん、和のやつ気にしてないみたいだな」



 びくっと身体をしならせた万里亜を見、和は眉根を寄せた。

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