ブラッディマリー
「何だよ、俊さん」
「万里亜ちゃんは俺が直系だって知るなり、お前を助けなきゃ殺すって言ったんだよ。ビンタのおまけつきで。怖かったなぁ」
「し、俊さん!!」
俊輔は万里亜の顔を至近距離で覗き込むと、妖しげにふっと笑った。
「……どうして隠そうとするの。和をヴァンパイアにしてでも、欲しかったんだろ?」
凍り付くような俊輔の紅い瞳が、万里亜の羞恥心をくすぐる。
俊輔の指先が万里亜の顎を持ち上げると、彼女は更に追い詰められたように口唇を震わせた。
「……おい、俊さん」
わずかに怒気を孕んだ和の声に、俊輔はくく……と笑って、万里亜の顔を強引に恋人に向けさせる。
「……な、和……ごめんなさい……」
「何が」
「澄人兄さんが……それに、あなたに断りもなく、俊さんに……」
震える万里亜の耳元で、俊輔は低く囁いた。
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