ブラッディマリー
 

 カウンターの中の時計に目をやると、すでに深夜を回っている。

 さっきしこたま血を抜かれた万里亜は喉が渇いて仕方がない筈だと、和は理解していた。



 手を伸ばし、万里亜を後ろから抱き寄せる。


 ぴくん、と反応したその身体を抱きすくめると、和は万里亜の耳たぶに口唇を這わせ、軽く歯を立ててやった。



「な、な……ぎっ」



 半ば拒否を示すその指先が、迷ったように和の手の甲をなぞる。



「……だ、駄目……」


「何で? ……欲しくて堪らない筈だろ」



 和の言葉に、万里亜の頬がかっと赤く染まった。



「だ、だって……」


「今家に帰るの怠い。……こっちが先だ」


「やっ、和……」



 逃れるように立ち上がった万里亜の身体を、カウンターに押し付ける。

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