十五の詩
「何だ?その目はよぉ!!」
男は乱暴にイレーネを床につき飛ばした。
焼き印を持った手が近づいてくる。奴隷に売り飛ばす気なのだ。
服が引き裂かれる。
「おとなしくしろ!!」
(嫌だ)
こんなのは絶対に嫌だ!!
ジュッと肩にそれを押されてイレーネは悲鳴をあげた。
直後、奇妙な光がイレーネから放たれ始めた。
「な、何だ!?うわあぁぁぁっっ!!」
太陽のようなひたすらに眩しい輝き。男達は眼をやられ、転がった。
あの時の光は私の力だったのだ。今日ユニスを護ろうとした時の光とまったく同じ光──。
イレーネの瞳から涙が零れ落ちた。
あの時、幼い自分がもっと勇気を出せていたのなら、姉代わりの少女達を救えていたのかもしれなかった──。
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