俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「へっ! なっ…あ、相変わらずウルセーなあって」

「はい出た。慌てたときの蒼の男口調!」

「うっ……」

「まあでも、近藤くんを好きになるのも分かるけどねぇ」

「そっ、そんなんじゃ…!」

「近藤くん、日本代表のジュニア選手に選ばれたって噂。私らとは住む世界違うよね」

「………」


その言葉で、蒼の心がちくりと痛む。





「じゃ、蒼、おっさき」

ふいに声を掛けられ振り向くと、ソフト部の同級生がさっさと着替えて蒼に手を振っていた。




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