俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「あーおちゃん」
ふて腐れてグラウンドに大の字に寝転がる蒼に、柔らかな声が降り注いだ。
「こんなとこで寝ちゃって。男子に見られちゃうよ?」
「いいもーん。気にしないもーん」
「……ちづの補修も終わる頃だし、今からクレープ食べに行かない?」
「行くっっ!!!!」
蒼はスカートなんてお構いなしに、大きく足を蹴って飛び起きた。
蒼の目の前には、ちょこんとメガネをかけた小柄な女の子が微笑んでいた。