俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「リョウ君はルシフィール様なのね…でもどうやって?」


「これは美津子が描いたの?」


いきなり耳元から声がして、美津子が慌てて顔を上げた。

リョウの手には描きかけの美津子の漫画原稿が握られていた。


「わ! そ、それはっ!」


すごい速さで美津子はリョウの手から原稿を抜き取る。


「漫画…だよね?」


美津子は何も言わずに頷いた。

「やっぱり! すっごい! 美津子って漫画家?」

子どものようなリョウのはしゃぎように、美津子は少し警戒心を解いて笑った。

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