俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「ほら私…ブスだから、さ。これに付け加えてオタクだってなったら…その…かなりヤバイでしょ? ね、あはは」

一生懸命作り笑いを浮かべたはずが、眼には涙が溜まっていた。

泣くのもカッコ悪すぎて、美津子は部屋を出ようとした。




その瞬間、リョウから腕を掴まれた。





「美津子は魅力的な女性だよ…そして…その子が描く漫画なら尚更」

「リョウ君……」

「足りないのは自信だよ…それを持つだけでもっともっと美しくなれる」

「自信…?」

手に抱えた原稿を眺める。

心なしか、いつもの漫画原稿が何倍も上手に描けているように見えた。

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