俺様天使とのキスまであと指輪一個分。


「炎でお前の体はっ――……」


悲惨な結末を口にするのも辛くて、フレンは崩れるように座り込んだ。


蒼の光りは徐々に大きくなっていった。






「あれは何?」

砂漠の山に避難した民衆が、空を見上げた。

「あれは確か…太陽…ではないか?」

青年たちに両脇を抱えられた老父が、震える手で空の光りの塊を指差した。

「たいよお?」

その存在を知らない小さな子どもが老父の袖を引っ張った。

「ああ…太陽は自然の中の神様なのじゃよ。さあ、共に祈ろうではないか」

< 345 / 353 >

この作品をシェア

pagetop