俺様天使とのキスまであと指輪一個分。


まるで小さな太陽のように――



蒼は自分の体を太陽の核にして、体の周りに燃えたぎる炎の渦を纏っていた。


(もっと……)

もっともっと、このアレオン国全部を照らし出すほどの巨大なエネルギーを作り出すような必要だ。

炎は更に赤く、激しく燃え上がった。


「やめろ…もう…やめてくれ!!」

エルストイの力のないフレンは、蒼のそばに行ける術もない。

「太陽は…地球のものではない…指輪で扱うことはできないんだ!」

必死に叫ぶ声も、激しい雨音に消えていく。


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