俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「どうかアレオン国の全ての人たちをお救いください」
それが全ての人たちの願い。
あれだけバラバラだったアレオン国の人々の心が、一つになった瞬間だった――
その願いを捧げているのが
他の星から来た十四歳の女の子だと誰が想像しただろう――
(熱い…体が…溶ける…)
体内から湧き上がる巨大なエネルギーに、蒼はすでに意識朦朧としていた。
その熱のせいで雨が蒸発し、蒼の周りに湯気が立ち込めていた。
しかし、アレオン国を襲う洪水を干上がらせるほどのパワーにはまだまだ遠い。