大海の一滴
それから、三人で遊ぶようになった。
海に行って貝殻を見つけた。
コスモス畑で四葉のクローバー探し。
さちちゃんの家で、おばあちゃんの梅酒をこっそり飲んだ。
タツユキ君は、爽やかに笑う。
タツユキ君の声は、少し掠れている。
タツユキ君はちょっと汗の匂いがする。
タツユキ君はくしゃりと撫でてくれる。
タツユキ君はギブスの中がたまに痒くなる。
タツユキ君は優しい。
タツユキ君はクラスの男子と違って大人だ。
タツユキ君はさちちゃんという彼女がいる。
タツユキ君は。
タツユキ君は。
タツユキ君のことが、好き。
暖かい光が差す。れいこの心に、タツユキ君がぎっしりと詰まっていく。