大海の一滴

 友達に仲間はずれにされても、自分が苛められていると分かっても、学校に行けなくなっても、ちゃんと生活出来ていたのは帰る場所があったからだ。

 本当の一人ぼっちだったら、きっとれいこは生きて行けていない。

 れいこは最初っから一人ぼっちなんかではなかったのだ。


「おばあちゃん」
 れいこは丸く大きな背中に抱きついた。

「おやおや、なんだい急に」
 おばあちゃんの背中は、とても温かかった。



(今日、さちちゃんに謝りに行こう)

 れいこは決めた。




 許してくれなくても一生懸命謝ろう。何回でも謝るんだ。

 さちちゃんは大切な友達なんだから。

 それから、明日から学校へ行こう。

 大丈夫。家に帰ればおばあちゃんがいるのだから。




 頑張れるだけ頑張って、それでも辛くなったら休めばいい。

 少しずつでいいから、前に進んでいこう。





 澄んだ初雪の真っ白な光が、れいこの心の中を真っ白にする。

(私は今日から、少しずつ変わっていくんだ)



 ~~~ その、はずだった ~~~


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