ブロってますか?
返って来たメールの返事に

『それは、そうだょな。まだ決まっても無い会社なんて、教えてくれないよな。えっ、フルタイム?やっぱり今日の子かな?でも、直接聞いてそうだったら、理恵さん嫌がって辞退するかも…。採用したら結構接点出来るよな。確かに今日の面接者の中では、能力的に彼女が一番だと思うけど…。彼女を採用するのは、狼の檻にうさぎを入れるような物だしな…』

健一の脳裏には、好色そうな村下の顔が浮かんだ。

『そうだ!佐藤を採用すればいいんだ。愛人の前で馬鹿な真似はしないだろう。』
健一は、自分が村下と同じ事を仕様としてるのを感じた。
採用に関する公私混同。その思いを必死で打ち消す。

『決して所長に言われたからじゃない。能力的には西川さんが一番だったし、佐藤にしても仕事は出来ると思いたいし。』

自分自身を肯定する健一。
そこにはやはり一抹の後ろめたさがあった。

『大丈夫!きっと理恵さんなら採用されますよ。おやすみなさい。』送信

明日自分が採用通知を出すのが、メール相手の理恵さんであって欲しいと切に願う健一だった。
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