ブロってますか?
近藤に言いながら、つい最近までのやる気の無い己自身の日々を思い出す健一。
『そうだよな、俺も責任転換と愚痴の日々だったよな。最近の充実は理恵さんに出逢えたお陰だな。ってまだ逢ってないけど…』

「先輩、何、にやけてるんです?」

「えっ、何でもないよ。それよりお前に頼みがあるんだがな。」

「金以外なら、いいですよ。先輩の為ならたとえ、火の中水の中!」

「馬鹿!真面目な話しだよ。」

途端に神妙な顔付きになる近藤。

「まっ、かしこまるなよ。俺明日で本社に帰るだろ。そうなると心配なのは、あの所長なんだよな。あのタイプ独裁者タイプだから、常に目光らせておいて欲しいんだよ。何かあったら俺に報告して貰いたいんだ。」

「な~んだ。お安いご用です。俺も奴嫌いですから!」

「おいおい、偏見の目で見るなよ。あくまで第三者の目で感じたまま報告してくれ。」

「了解です。さぁ所長の話しはもう置いといて飲みましょ先輩。」

それからたわいもない話しをつまみに1時間程飲んだ2人は明日も仕事があるので、二軒目は行かず別れた。

健一はホテルに帰って理恵にメールする。

『取り敢えず、明日本社に帰ります。…
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