ブロってますか?
「も、もしもし、あ、あのドタケンです。い、いや違った健一です。初めまして。」

完全に声が裏がえっている。

笑い声が返る。

「ウッフフ、良かった。電話くれたんだ。ありがとうございます。初めまして。アリサこと、理恵です。」

電話の理恵は、健一が当初想像していた可憐清楚なイメージと違い、良く笑い、明るく活発な感じがした。お互いに話しやすかったのか、気が付けば、2時間に渡り話し込んでいた。家庭の事、趣味の話し、好きな物、幼い頃の話し。健一も初めて話しする女の人とこれほど話しが盛り上がるのは意外だった。

「あっ、もうこんな時間。ごめんなさい明日もお仕事なのに、つい楽しくて長話になって…またお話してもいいですか?」

理恵の問いに、

「僕も女の人と、こんなに楽しく話せたのは、初めてです。結構人見知りするんだけど、こちらこそまた電話します。おやすみなさい。」

互いに電話を切った後健一は考えた。

『いゃ~楽しかったな。本質の部分で似てる所多いし、しかし面接した子かな?電話の声は微妙に違うような?まっ何はともあれ、何か青春再びって感じだ!』
その夜はなかなか寝付かれない健一であった。
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