ブロってますか？

「また、ばか言ってる！本気にするぞ！小悪魔め。」


心の想いを悟られないように、わざとふざけた言い回しで返す健一。


「は～ぃ！小悪魔理恵ﾁｬﾝでーす！今日は電話してくれてありがとうさんです。また、時々電話していい？メールは毎日したいけど…」


「うん、いいよ！こちらこそお願いしたいよ。」


「やったー！じゃ、健ﾁｬﾝ帰らないと奥様心配するから…」

奥様の所で声のトーンが落ちる理恵。
そんな理恵が無性に愛おしくなる健一。

「り、理恵ﾁｬﾝ、お、おやすみ。」


思わず好きだよって言おうとした言葉を飲み込み、慌てて電話を切る健一。


深い溜め息を吐き出し健一は思った。


『夢を見たらいけない。友達の領域から踏み込んだら駄目だぞ！健一！』


自分に言い聞かせつつ、美沙子が待っていると思いたい家路につくのであった。

美沙子はブログに夢中で、時間の経つのも忘れている。
ふと、時計に目をやる美沙子。


「いけなぃ、もうこんな時間！帰ってくる時間だわ。買い物行かなくちゃ。」


慌てて家を飛び出す美沙子。近所のスーパーに急ぐ。
辛うじて、健一の帰宅よりは早く家に着く。


「ただいま。」
健一が帰る…