ブロってますか?
「お、お帰りなさい。」
理恵への想いを振り切るように、わざと明るく健一が言う。
「腹減った!飯、飯」
そして、食卓に出て来たのは…
半額シール貼られたスーパーの弁当だった。
「……」
無言の健一。
美沙子が言い訳をする。
「き、今日体調悪くて…すいません。」
無言のまま席を立った健一は、冷蔵庫からビールを出すと、和室に入る。
『……そうか、もう帰るのを待たれてるって訳でもないんだな…』
美沙子は健一が、手付かずで置いて行った弁当を無言で眺めていたが、やがてその弁当を取り上げると、ゴミ箱に突っ込む。
『なによ!頭に来る!私も忙しいのよ!』
この頃には美沙子はもう、通常の思考が出来ない状況にあった。そう、例えるならブログに取り付かれたような…
1日の大半をブログに費やし、自身の食事さえ時間が惜しい。綺麗好きだった面影もなく、掃除もおざなり、殆ど外出もしなく、体重もかなり減って来ている。しかし、眼光だけは鋭さを増していく。その目が見ている物は…自身へのアクセス数と評価だけである。危険な兆候は音もなく忍び寄る…
理恵への想いを振り切るように、わざと明るく健一が言う。
「腹減った!飯、飯」
そして、食卓に出て来たのは…
半額シール貼られたスーパーの弁当だった。
「……」
無言の健一。
美沙子が言い訳をする。
「き、今日体調悪くて…すいません。」
無言のまま席を立った健一は、冷蔵庫からビールを出すと、和室に入る。
『……そうか、もう帰るのを待たれてるって訳でもないんだな…』
美沙子は健一が、手付かずで置いて行った弁当を無言で眺めていたが、やがてその弁当を取り上げると、ゴミ箱に突っ込む。
『なによ!頭に来る!私も忙しいのよ!』
この頃には美沙子はもう、通常の思考が出来ない状況にあった。そう、例えるならブログに取り付かれたような…
1日の大半をブログに費やし、自身の食事さえ時間が惜しい。綺麗好きだった面影もなく、掃除もおざなり、殆ど外出もしなく、体重もかなり減って来ている。しかし、眼光だけは鋭さを増していく。その目が見ている物は…自身へのアクセス数と評価だけである。危険な兆候は音もなく忍び寄る…