ブロってますか?
「ファン?…はぁ~?美沙子自分を見失ってんじゃないの?あなたは只の主婦なのよ!」


「ほっといてよ!何よ!恵美も私の敵なの?」


「はぁ~?敵?おかしくなって来てるんじゃないの?大丈夫?」


「もういい!お説教は聞きたくない!もう電話して来ないで!」


電話を一方的に切る美沙子。


『恵美は敵になった…』


1人呟く美沙子。
もう彼女の価値観は敵か味方でしかない。健一も敵であるが、印税生活を始めるまでは生活の糧であるから、さながら下僕と言った感じか?

そう、美沙子は自覚していないが、彼女の精神は蝕まれていた。


今までの平凡な生活にブログと言う刺激が加わり、のめり込んで行く美沙子。彼女は、禁断のパンドラの箱を開けてしまったのだった。


一方会社にて、健一は部長に呼び出されていた。


「岡村君、例の営業所なんだが、いよいよ本格的に営業を開始したんだが、来週にでもまた行って見てくれないか?」


「は、はい!喜んで行かせて貰います。」


「出張嫌いな君が珍しいな?営業所に可愛い子でもいるのか?」


「いぇ、立ち上げた所のその後が心配ですので…」


「まぁ、何でもいいから頼むぞ。」
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