ブロってますか?
「なぁに?岡村君、話しって。佐藤絡み?」


やって来た田中が問う。
本社では田中が先輩である。2人の時は何となく姉弟と言う雰囲気になる。


「うん、やっぱり採用すべきではなかったかなって…暗に所長との関係を匂わせて脅して来たよ。」

「まぁ!何て女なんだろう!本社に帰ったらすぐ報告するわ!」


「まぁまぁ、この件は任せてよ。何とか良い方向に行くようにするから。当分重要な仕事は西川さんに任せる形の指導でお願いします。」


西川と名前を口にしただけで顔が上気してくるのを感じる健一。


そんな健一の表情の変化も、佐藤への憤り故と思う田中。


「分かった。岡村君に任せる。じゃ総務関係は西川さんに任す方向で指導するね。佐藤は雑用でもやらせとくわ。でも西川さんが良い子で良かった。」


田中の西川を誉める言葉に、何故か嬉しくなる健一。


「そうそう、西川さんと言えば最近近藤君が何となく…フッ」


意味深に含み笑いする田中に…


「えっ!近藤がどうしたの?」


声が思わず裏返る健一。


「うふっ、大した事じゃ無いけど、何となくね。お似合いじゃない。あの2人。」


「そ、そうかな。似合いかな?」

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