運命のヒト
「何なのよ、もう……」
なんでこんなところに物なんか置いてんの?
打ちつけた肘をさすりながら、あたしはその“何か”をにらんだ。
廊下の電球に照らされ、その正体がぼんやりと露わになる。
「……え」
物じゃなかった。
人、だった。
朽ちた流木のように、うつ伏せで床に身を投げ出したシロ。
あたしがさっきつまづいたのは、シロの足だったのだ。
「っ……シロっ、どうしたの!?」
肩を強く揺すると、閉じたまぶたがピクリと動いた。
薄く開いた瞳が、あたしを映しだす。