運命のヒト
あたしはきっと、人との距離の取り方が下手なんだ。
どうしてだろう。ひとりっ子だから?
ううん、きっとそれだけじゃない。
母親がいないせいも、きっとある。
だってお母さんは、あたしを産んだときに亡くなって――…。
そこまで考えて、あたしは我に返った。
何をぐだぐだ考えてるんだろう。
やめよう。バカげた思考の暴走。わざわざ自分をミジメに追いこむ必要、ないじゃない。
あたしは運ばれたきた料理にほとんど手をつけず、店を出た。
ビールの苦い味が、いつまでも口の中に残ったままだった。
「美園っ」
駅までの道を歩いていると、大我の声が追ってきた。