運命のヒト
「美園、待てってば。痴漢が出るかもしれないし」
つきまとうアナタも痴漢に近いし。
「オバケが出るかもしれないし」
いっそオバケの方がマシだし。
「通り魔が――」
「あ~もうっ、しつこい!!」
思わず怒鳴ってふり返ったとき。
ふいに神秘的な音が、真夜中の公園に響いた。
鐘の音だった。
冬の夜空に溶けこむような、澄んだ音色。
それは規則正しいリズムで、時計台から鳴り響いている。
「――あっ」
“あ”?
突然、どこからか微かな声が聞こえた。