運命のヒト
シロは夜空を見上げ、窓の外のさらに遠くへと手を伸ばした。
胸騒ぎは爆発しそうなほど膨れ上がっているのに、あたしはうまく言葉が出なかった。
何を言っても届かない、ぶ厚いガラスのむこうに彼がいるような気がして。
――あぁ、まただ。
シロのあの瞳。
「……俺」
現実の世界から半分ぬけ落ちてしまったような瞳――……。
「今、すげぇ幸せ」
“このまま死にたいくらいに”
その言葉を発したのと、シロの体が窓の外に大きく傾いたのは、同時だった。