運命のヒト

中身は風邪薬と、スポーツドリンクと、のど飴。

そして……
あたしが前から欲しがっていた、限定発売の香水だった。


「大我……」


覚えてくれてたんだ。

あたし自身、ほとんど忘れてたのに。

ううん、あえて頭から追い出してたのに。


明日は、あたしの誕生日。

そして、お母さんの命日。


香水のボトルはソーダ水のような澄んだ青で、キラキラしていた。

あたしはそれを棚に飾り、薬を飲んでベッドにもぐった。


日曜の夕方。外から聞こえる音は少なく、部屋の中は取り残されたように静かだった。

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