運命のヒト

あたしは手を離した。


「……なんでもない。ごめん、甘えちゃってバカみたいだね」

「いいよ、いくらでも甘えてくれたら。特別な日なんだし」

「え?」

「あと1時間で、23歳だろ?」


サラッと言われ、目が丸くなった。


「なんで知ってんの……?」

「何でも知ってますがな。園ちゃんのことなら」


……おどけた口調と笑顔に、あたしは急に心がほどけて泣きそうになる。

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