運命のヒト

「うん、ごめんね。うつる風邪じゃないとは思うんだけど」

「オフィス乾燥してますもんねぇ。あ、加湿器、使います? これいいですよ、アロマ機能もあってぇ~」


家から持ってきたらしい卓上型の加湿器を、あたしの方に向ける青木さん。

直に吹きつけるローズマリーの香りに、頭がクラクラした。


「ありがとう……でも、借りちゃ悪いから」

「そうですかぁ?」

「うん」


どこまでもマイペースな青木さんをある意味すごいと思いながら、あたしは再び仕事に没頭した。
< 221 / 415 >

この作品をシェア

pagetop