運命のヒト
「うん、ごめんね。うつる風邪じゃないとは思うんだけど」
「オフィス乾燥してますもんねぇ。あ、加湿器、使います? これいいですよ、アロマ機能もあってぇ~」
家から持ってきたらしい卓上型の加湿器を、あたしの方に向ける青木さん。
直に吹きつけるローズマリーの香りに、頭がクラクラした。
「ありがとう……でも、借りちゃ悪いから」
「そうですかぁ?」
「うん」
どこまでもマイペースな青木さんをある意味すごいと思いながら、あたしは再び仕事に没頭した。