運命のヒト
おどけた口調で大胆なことを言われ、あたしはボンッと赤面してしまった。
「へ、変なこと言わないでよっ!」
そんなあたしをシロがまた笑う。
「テレんなって今さら。すでにいっぱい見ちゃったんだし」
「っ……バカバカ!! もう、服着るっ!」
あたしは毛布で体を隠すと、シロにぷいっと背中を向けて起きあがり、ベッドの下に落ちている服に手を伸ばそうとする。
が、後ろから勢いよく伸びてきた腕が、あっさりそれを封じ込めた。
「まだ着るなよ」
耳元の真後ろで響いた声に、ドキンっと心臓が鳴った。
「美園が恥ずかしいって言うなら、もう見ねぇから。だからもう少しの間だけ、このままでいさせて」