運命のヒト
他にお客さんはいなく、やる気のなさそうなマスターが奥で雑誌を読んでいるお店。人に聞かれたくない話をするには、うってつけの場所だ。
あたしは、シロから聞いた話をそのまま大我に伝えた。
きっとシロも、大我になら話してもかまわないって言ってくれる。そして大我も、きっとこの話を信じてくれる。そんな確信があったから。
「……そっか」
すべてを聞き終えた大我は、長い沈黙のあと、その一言を噛みしめるようにつぶやいた。
ぬるくなったコーヒーにミルクが沈殿している。スプーンで混ぜると小さな金属音が響いた。
「それで」
大我が言った。
「アイツは、いつまでいられるんだ? 今の時間ってやつに」