運命のヒト

わからない。あたしは首を振る。

「でも、たぶん……タイムリミットはもうすぐなんだと思う」


言った瞬間、唐突に、すさまじい恐怖がこみ上げた。

あぁ、そうだ。
シロは本当にもうすぐ消えてしまうんだ。
これは、現実なんだ。


恐怖心が体中に広がって、急にうまく息が吸えなくなったなった。

……苦しい。呼吸が浅くなる。吸っても吸っても酸素が足りなくて、苦しくて、体がしびれて、目の前が暗くなっていく――。


「おい、美園」

大我が向かいのイスから立ち上がり、あたしの隣に座った。

「落ちついて、ゆっくり息しろ。大丈夫だから」

背中をさすりながら声をかけてくれる大我。
< 297 / 415 >

この作品をシェア

pagetop